Juneau

覚え書き拡大版。

コンクリート・レボルティオを視聴して。

2016年になってしばらく経ちましたがあけましておめでとうございます。ちよいもです。
昨年このブログを開設してから「最低でも月に1エントリー」を全く守れぬまま年が明けてしまいまして、自分の目標設定が甘かったと痛感しました。今年は「最低でも1シーズンに1エントリー」を目指してブログに取り組んでいきたいと思います。もうハードルが地面スレスレです。目標は達成するためにあるんだぜ!!!こまけえこたぁ気にすんな!!!!!!


というわけで2016年一発目のエントリーはタイトルの通り。昨年10月から12月にかけて放送されていた「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」第1期 全13話を視聴し終えました(4月から第2期放送予定)。 放送開始から追っていたわけではなく、数話放送されたころに知り合いが「これ今期のアニメなんだけど、特撮好きなら楽しめると思うからオススメだよ」と教えてくれたのがキッカケでした。

以下、本編の内容に触れています。

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「もうひとつの日本」を舞台にして繰りひろげられる、多彩な超人たちの饗宴――。
「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本が舞台である。

これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の「超人たち」が、もしすべて同時に実在していたとしたら?
登場する「超人」たちは、誕生も特性も、実にさまざまだ。
宇宙から来た巨人、ファンタジー世界の生命体、古代から妖怪とされてきた存在、科学者に改造されたサイボーグ、太古に滅亡した巨大文明の遺産などなど……。
一部の超人は公然と活動して世間から人気を集め、一方で素性を隠しながら密かに戦う超人もいる。そして超人に対抗する敵勢力、組織もまた、それぞれ暗躍を続けている。

日本政府は、秩序確保のために多様な手を打った。
そして設立された組織のひとつが、厚生省の外郭団体「超過人口審議研究所」である。
その通称は「超人課」――「超人」を発見・確保し、保護し、安全に管理するのが任務だ。
超人課に所属するメンバーの一人、人吉爾朗(ひとよしじろう)が、本作の主人公である。

公式サイトのイントロダクションより抜粋。
本放送に追いついてからはリアルタイムで他の方の考察を参考にしたり、公式で発表されている年表を見ながら時系列を整理したり。放送順と時系列がバラバラなんですよね…しかも一話の中で違う時系列の出来事が同時進行するのでちょっと分かりにくい。ながら見できない。さらに(私の頭が悪いだけかもしれないけど)一度見ただけじゃあ咀嚼しきれない。まあこれは脚本を担当した會川昇さんが意図してそう制作されているみたいですが。じゃあ小難しくて取っつきにくいアニメなのかと言えばそうではなく、登場人物はそれぞれ個性的だし、ほぼ毎話新たな超人が登場するのでストーリーが難しくて飽きるなんてこともなく楽しめます。私は楽しめました。

そして私がおすすめされた「特撮ヒーローものが好きなら楽しめそうなポイント」ですが、イントロダクションにもあるようにそもそもこの企画自体が数多の超人たちが同時に混在する世界を現実として描く、というもの。そんなの私が楽しめないわけがないだろ!?と(個人差はあります)。たとえば初代ウルトラマンさながらの設定を持つグロスオーゲン、東宝怪獣を彷彿とさせる「日本『怪獣』史」、鉄腕アトムを思わせる正義の味方 人間衛星アースちゃん、見た目からして月光仮面みたいな天弓ナイト、などなど。ざっと挙げてみただけでもこんな感じで元ネタを探すとキリがなく、しかもそれぞれオマージュ元は恐らく1つじゃない。特撮やヒーロー物が好きな方ならニヤリとできるオマージュや設定が盛り沢山です。

それもそのはず、架空のものと思われがちなヒーローを現実の歴史の中に置いて絡めるというアプローチを日本でやるとしたら、という會川さんが長い間したためていた企画が実現したのがこのコンレボだそう。現実の昭和史とリンクした「神化」という架空の年号の日本で生きている超人たちと、彼らを保護する超人課。超人と一口に言ってもその種類はさまざまで、ヒーロー然としている者や力を悪用する者、人間だったり動物だったりロボットだったり地球外生命体だったり。多くの超人は人々を守ってくれるけど、その超人は一体誰が守るのか?
ヒーロー・超人を題材にした作品ですが、ヒーローもののスカッと感はほとんどありません。全編を通して重ーーーい、暗ーーーーい雰囲気がたちこめてます。ちよいもさんそういうの大好き。

その中でも特に印象に残ったのが第7話「空も星も越えてゆこう」。人間衛星アースちゃんがメインとなる回。正義とは何か?誰が決めるのか?正義の在り方について悩んでしまうお話でした。

作中でアースちゃんは正義の味方として世間に広く知られる人型人工衛星。助けを求める声(人間だけでなく動物も)をキャッチすれば宇宙から駆けつけて、決して悪を許さず、糾弾し、懲らしめて、また宇宙へ帰っていく。正義に必ず味方するのがアースちゃん、という認識だったのに、いつしか世論はアースちゃんが味方についた方=正義、それに敵対するものは悪と逆転するように。これによって政府のお偉いさんたちがアースちゃんを利用して世論を味方につけようと画策したりもする。長い間「助けを求める者たち」に味方してきたアースちゃんはその「正義」の在り方の揺らぎに苦しみ始めます。

お話の中で彼女と関わる人物として、ジュダスという超人の少年が登場します。彼は超人犯罪集団に所属していたところをアースちゃんに倒され、もう悪い事はしないと誓い刑務所で服役します。服役を終えた後にジュダスは「能力は使わない」という約束をアースちゃんにしてとあるデモ運動に参加するのですが……

はい、予想通り彼は能力を使ってしまいました。ジュダスは嘘をつきました。同じくデモの場にいたアースちゃんは彼を嘘つきと見なして攻撃します。実はデモの最中に下敷きになった人を救うためにやむを得ず能力を使ったんですが、彼女にとって嘘は絶対的な悪。「能力を使わない」と約束した以上、過程はどうあれ結果的にその約束を破ってしまった彼はアースちゃんの中では「悪人」なのです。悲しいな…


なんだか長々と書いてしまいましたが、もちろん大方の嘘は悪い事なんですよね。ただ結果的に嘘に「なってしまった」り、相手を思ってつく優しい嘘も人間には必要だと思うのです。ジュダスの件があった後、アースちゃんは生まれて初めてを見ます。夢の中で彼女は人間の姿をしていて、家族に囲まれて幸せそうに微笑むのです。アースちゃんは機械なので眠らないし夢を見ることもないのですが、人に必要な嘘を彼女に置きかえるとこういうものなのかな…としんみり考えてしまいました。もしかしてアースちゃんの本当の過去だったりして。

冒頭でも書きましたが今年の4月から第2期が放送される予定なので、それまでに考察をまとめつつ見返してみようかなーと思ってます。たくさんの資料を参考にして考察を固めつつ見られるのが放送終了したアニメの良いところだよね。残念ながら無料配信期間は終了してますが、バンダイチャンネルやHuluなどの月額見放題のサービスなら全話いつでも視聴できるみたいなので、視聴環境がある方はぜひどうぞ!